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続 封じられた力

POINT:36点/55人 Good:72.7%

先程はすみませんでした。とにかく、話しは最後まで書こうと思います。
これで最後なので、もう少しだけ 俺の話しに付き合ってもらえたら嬉しいです。







俺達が抱き合って泣いていると、どこからかしゃがれた声で

「何を泣いてるんかぁ?男っこが。

あんまり泣くと、トンビにさらわれるぞ〜。いいんかい?」

と聞こえてきた。

え…?と、俺達が顔を上げると、近くの石にお爺さんが 背中を向けて座っていた。

服はボロボロで、髪はぽやっとしか生えていなかった。

人がいたなんて、全然気づかなかった…。

俺達は泣いていた事も忘れて、お爺さんを見つめていた。

「あのなぁ、あんまり泣くと 皆が悲しくなるでなぁ?」

そう言いながら、お爺さんが不意に俺達の方に向き直った。

次の瞬間、俺達はがたがたと震え、弟は「に、兄ちゃん!兄ちゃん!!」と、痛いくらいにしがみついてきた。

俺も上手く呼吸が出来ないくらい パニクっていた。

霊的に怖かったんじゃない…。

お爺さんの、あまりに異様な風貌に恐怖したのだった。

単眼と言うのだろうか?

お爺さんは、眉間の辺りに大きな目が 一つしかなかった。

「そんなに怖がらんでええよぅ。

誰も取って食うわけじゃないでな?

泣いてるより、笑っている方が楽しかろ。」

そう言ってお爺さんは、ニッコリと笑った。

俺達は何故か、その笑顔を見た時 気味悪いとは思わず、ホッとした。

そしてまた、泣けてきてしまった。

お爺さんは、こっちにおいでと手招きし、おずおずと近寄った俺達の頭を、体に似合わない大きな手でわしわしと撫でて

「……可哀相にの。大きすぎる力は 不幸を呼ぶ。」

と言った。そして、

「お前さんは大丈夫じゃな。問題はこっちだのぅ。

見る事も、聞く事も、感じる事もできぬ者には 悪さもできんもんじゃよぅ。」

そう言うと、弟の眉間をコツンと指でつっついたのだ。キョトンとしている竜を見て、お爺さんはうんうん、と頷くと 立ち上がり チリンチリンと鈴の音をさせながら 立ち去って行った。



その夜、竜は泣かなかった。次の晩も、その次の晩も、竜が泣く事はなかった。

母が、竜も泣かなくなったし 久しぶりに皆で寝ようか?と言ってきた。

だからその日は両親の寝室で、俺 父 竜 母の順で 並んで寝る事になった。

夜中にフーフーと獣のような声?に起こされ目を覚ますと、女が竜に馬乗りになり 狂ったように引っ掻いていた。

驚いて竜を見ると、何事もないように すやすやと眠っている。

俺はそれを見てたら、なんだかおかしくて笑いが込み上げてきてしまった。

あいつはもう、弟に手は出せないんだ!

それどころか 存在さえ気づいてもらえないんだ。

俺に気づいた女は、悔しそうに歯を剥き出し ギチギチと歯ぎしりした。

しかしじきに 消えていなくなってしまった。

それから二度と、女が現れる事はなかった。

あのお爺さんに会ってから弟は、霊感が9点どころかマイナスになってしまったようで、全く感じる事はなくなってしまった。

普通の人でもここは…と敬遠するような場所でも、全然平気なのだ。

見る事も、聞く事も、感じる事もできない人には悪さができない…。

これは本当だった。

不思議な事に、竜はあのお爺さんの事も 今は覚えていない。

あのお爺さんは 何者だったのだろうか?

俺は今だに、その正体をわからないでいる。





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雀さん  2010/02/24 03:03
タグ:幽霊・心霊

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新着のコメント 3 件

■匿名さん→VerryGood!  2010/04/09 20:18
いいねぇ~。 女が悔しそうにいなくなったところ、ウケた~ …(続き)

■匿名さん→VerryGood!  2010/03/25 15:19
結末が明るいとなんか嬉しい。

■匿名さん→VerryGood!  2010/02/26 11:59
また何か書いてください!

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